リカルド・クアレスマ~魔術師と評される天才~
現代サッカー界において「天才」と呼ばれる選手は数多く存在する。
その中でもひと際異彩を放つ選手がいる。
それが
リカルド・クアレスマである。
今回は私が愛してやまない彼について書いていきたい。
- クラブ経歴
- プレースタイル
1.クラブ経歴
彼はポルトガルの名門スポルティングCPでデビューを果たす。このクラブで頭角を現すと、バルセロナへ移籍する。その後はポルト、インテル、チェルシー等名門を渡り歩き、現在はトルコ1部リーグのカスムパシャSKに所属している。
見ていただければ察して貰えるとは思うが、彼は名門で一貫して活躍できたとは言い難い。その原因はケガや彼の性格にもあるが、主なものは彼のプレースタイルだろう
2.プレースタイル・評価
彼の特徴は魔術師、ハリーポッター等と形容されるように、そのテクニックだ。試合中の随所に見せる巧みなボールコントロール、正確無比なキック、そして彼の真骨頂とも呼ばれるアウトサイドで描く美しい放物線。それらは観客を魅了する。
世に天才と呼ばれる選手は数多く存在する。メッシの高速ドリブルは観客を唖然とさせ、クリスティアーノ・ロナウドは熱狂と興奮の渦に巻き込む。しかしクアレスマのテクニックはそれらとは異なる。彼のテクニックは芸術だ。右足から放たれる美しい放物線はうっとりとするような色気がある。
ドイツ代表MFトニ・クロースは正確無比なキックを持っており、彼のシュートは「ゴールへパスをするようだ」とされる。しかしパスをするようと形容される通り、彼のシュートは直線的でかつ早いシュートを得意とする。効率的に目的地へボールを届けるためには、速さと軌道が最短でなければならない。
だが、クアレスマは違う。彼の放つボールには力強いというイメージはない。鳥が巣へ買えるように、ゴールのファーサイド、まさにそこへ美しい放物線を描いて吸い込まれていく。
あまりの軌道に最初はシュートかクロスの判別はままならない。しかし気付いた時にはボールはゴールにあるのだ。呆気にとられるのも無理はない。
アウトサイドキックにばかり目を奪われがちだが、彼のスキルはそれだけではない。
考えてみて欲しい。
そもそもアウトサイドで蹴る必要があるのか。
右足のアウトサイドで蹴らずとも、左のインサイドで蹴れば済む話もある。だが、クアレスマは左足を滅多に使わない。左サイドの深い位置から縦への突破をし、クラスを選択するときも、彼は左足でクロスは上げない。ラボーナを駆使して右で上げる。決して精度が低いわけではない。実際、彼の左足からもアシストやゴールは生まれている。しかし使わないのは、右足の精度に相当の自信があるからだ。
だからこそ彼の右足は、ボールに魔法をかける。また抜き、シザースやシャペウなどトリッキーな技も多用する。
30を超えて経験を積んだベテランは戦術眼も身につけて、自身のスキルを思う存分発揮できるようになった。
現在はトルコ1部のカスムパシャSKに所属し現役を続けている。
是非プレー集を観て欲しい。
彼のプレーを観て虜にならないはずがない。
以上。リカルド・クアレスマの紹介でした。